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自殺自由法 (中公文庫)

価格: ¥820
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論新社
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「自殺自由法」という着想は良いが、中身が幼稚 ★★☆☆☆
「自殺自由法」というのは、非常に示唆に富んでいて、リアルに想像できる面白い着想である。
しかし、小説の中身がいかんせん幼稚で、読むのが若干苦痛であった。
着想が素晴らしいだけに余計にもったいない。
山田悠介氏の小説のような具合で、文学としての価値は低いといえるでしょう。
「自殺自由法と」という同じテーマで、いろいろな小説家に書かせてみたいです。
さすがかな笑 ★★★★★
戸梶さんの作品はいつもかなり面白いのだが、今回の作品も同様で息つく暇もなくザァーっとよんじゃいました。

生と死の価値観、その観念がかなり自殺自由法というものによって人々の意識の中で表面化していく、確かに現実はある意味で誰も自殺を禁止なんてことはいっていない、そもそもそういった類のものでもないから、しかし逆に法的に認めてしまうとどうなるか。
これがまた面白い。

この場合生と死は等価値というよりも、奇異だった現実が実際的なものとなったときの、死への大衆の傾倒が見事に描かれている。

僕はこの現象を大衆化と呼んでいいと思う。現在の日本における大部分の出来事、物、価値観さえもがこの大衆化のなかにある。いわば、いい例えではないが流行。

リーズナブルな生命。そして、それを支える(民主主義的)秩序。

リアリティとはまさにこのこと、現実を無視しても表現は残るから。ならば受け入れることが向きあうこと。そんな風に感じました。

なんにせよ、良い作品でした。

ちなみに映画化したらおもしろいだろうなぁ〜なんて思います。
身も蓋もないリアルさ ★★★★☆
公共自殺幇助施設「自逝センター」を利用することで、いつでも好きなときに個人の自由で自殺をすることができる。「死ぬ自由」が保障された世の中になったとき、人はどのような行動をとるのか?社会はどう変わっていくのか?そして、人生の意味はどのように書き換えられるのか?本書はこうした問いに対し、小説という思考実験の場を用いてひとつの解を示しています。まさに「問題作」と呼んでよい一冊。

社会的弱者に対して執拗に「自逝」をすすめる自治体。「自逝」をビジネスに組み込んでいく会社。一族の体面のために息子に「自逝」を進める家族。「自逝センター」は常に人であふれ、順番待ちの列が延々と続く。個人の命の重さは極限まで薄められ、「自逝」の価値(=商品的価値)すら薄まっていく。「死んじゃえばいいじゃん」で全てを済ませることができる社会において、「人間の尊厳」や「命の尊さ」はただの飾り文句に成り下がり、安っぽい未来への希望など何も意味を成さなくなる。

本当に、もう、身も蓋もない内容になってます。そして、命の軽さを表すかのような、文体の異常なほどの軽さも印象的です。

本書は、現代の日本において、書かれるべくして書かれた本だと思います。今だからこそ、読むべき一冊。ぜひご一読を。
どろどろ ★★★★★
小説はあまり読まないけど、これは面白かった。
もし自由に自殺ができれば…
自殺すると決めると人はどうなるのか。
このシステムをどう「利用」するのか。
いくつかの人々のストーリーがオムニバスのように折り重なっていく前半がやはり読みごたえがあるかな。あまりにもドロドロとした人間の「本性」が結構リアルに書き綴られている。自分のバーチャルが見つかったり、自分の範疇にない人がみつかったり。。。
後半から最後は、、、、ただひたすら切ない。所詮人間なんて…という気分。
問題小説というよりも娯楽小説だ。 ★★★☆☆
政府公認で自殺ができる世界で、人間心理の闇を探る問題作という紹介がされていますが、そんな大層な印象は感じられませんでした。どうしてそのような法律が執行されたのか、自殺センター(作中では自逝センター)ではどのような事が行われているのかには一切触れられず、登場人物達がそこへ向かうまでの経過を綴った群像劇として描かれています。

何の理由があるわけでもなく、あったとしてもそれには触れられずに大前提として満15歳以上の日本国民は自由に自殺できることを認める自殺自由法が制定された世界が提供されます。恐らく、作者の視点はそのような世界での人々の心情や行動におかれているのだと推測しますが、個人的にはその社会状況や施設のほうに興味が行ってしまいます。

問題作と構えて読むのではなく、娯楽小説として軽く読み飛ばすのが正しい読み方でしょう。間違っても生と死の問題に思いを至らせるなことはないと思いますが、もしそうなってしまったら読み方が間違っているのかもしれません。とはいえ、読み方は人それぞれなんですが。