なんでタイトルが『指環』なのかと思ったら、ヒントはワーグナーのオペラ『ニーベルングの指輪』とトールキンの小説『指輪物語』の映画化（『ロード・オブ・ザ・リング』）なのだそうだ。というのは、松居夫妻は2002年になって『ニーベルングの指輪』を観劇していたく感動、そして『指輪物語』の映画化が話題になったこともあって、そんなこんなでタイトルを『指環』にしたのだという。
   一言でいって、ドラマティックかつミステリアスなサウンド。インストゥルメンタルなので歌詞はないが、聴く人によっていろんなイメージが喚起するだろう、非常に物語性の強い音楽だ。私の場合、聴いているうちになんとなく、宇宙的な冒険旅行をしているような気分になった。全曲松居慶子のオリジナル。デレク・ナカモトがアレンジ、シンセサイザー、プログラミング、ベースなどで全面的に協力している。スパニッシュ・ギターが神秘的なムードをうまく演出しているのも印象的だ。なおソロ・ピアノによるラストの2曲は日本盤のみのボーナス・トラック。（市川正二）