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ENEMY OF THE ENEMY (CCCD)

価格: ¥2,548
カテゴリ: CD
ブランド: EMIミュージック・ジャパン
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   エイジアン・ダブ・ファウンデイションの音楽が最初から最期まで耳障りがよかったなら、彼らは今のような社会政治的な扇動者にはならなかっただろう。本作は暗く閉所恐怖症を引き起こしそうなほどである。そして、ときおり痛ましいビートが脈打ち、ドメスティック・バイオレンスや見当違いの報復、グローバリゼーションの悪影響、アメリカの外交政策にあおられた社会的良心に口やかましく挑んでいる。「Fortress Europe」「Blowback」での、いつも通りにマスターDのかますラガ・ラップのレトリックは、サウンドに激しく刻みつけられた荒れ狂うジャングルやタブラ、麻痺するようなメタリックギター、うなるサブベースと同じく洞察力に満ちている。しかし、本当に感動的な瞬間が訪れるのはバンドがギアを落とし、彼らの持ち味を湿っぽく悲しいトラックに生かしたときだ。「2Faced」はぞっとするほど不気味で、ポーティスヘッドのスタイルで都市の荒廃を告発する。また、忘れがたい「1000 Mirrors」では、シニード・オコナーが虐待関係における痛みからこの上なく悲しい哀歌を引き出している。けれども本作の全曲が破滅的で暗いわけではない。「Power Of The Small Massive」の狂乱のパーカッションとインド・ロックは、攻撃的というより熱狂の祝祭である。幸福なトラックであれ痛烈なトラックであれ、本作が刺激的でなくなることはない。確かなのは、イマジネーションと多様な文化を巧みに取りまぜる器用さをあわせ持った英国で唯一のバンドが、ついに独自のスタンスを見つけたということだ。(Dan Gennoe, Amazon.co.uk)