この1枚は、パワー・ポップを楽しく聴くためのウォーミングアップだと思ってもらいたい。つまり、トップ 40ヒットに手を伸ばすにはまだ早い、あるいはクリスティーナ・アギレラを聴くことを許さない両親を持つ子どもたちにとってうってつけのコレクションなのだ。レイヴン(「True to Your Heart」)、ヒラリー・ダフとその姉のヘイリー・ダフ(「Siamese Cat Song」)、それにジャンプ5(「Welcome Song」)やLMNT(「A Whole New World」)などのキュートなボーイズ・バンドの助けもあって、本作は10歳から12歳の子どもたちに、つまらないアルバムに無駄な時間をかけているのではと思わせたりはしない。なんと言っても、さまざまなアーティストたちが放つヴァイヴレーションの波が、いともあっさりと子どもたちを飲みこんでしまうのだから。
スティーヴィー・ブロックが「Zip-A-Dee-Doo-Dah」を大声で歌っていることや、ダニエル・ベディングフィールドが「A Dream is a Wish Your Heart Makes」を歌っていることについては心配しなくて大丈夫。彼らは説得力に満ちた胸踊るサウンドを響かせてくれている。さらにすばらしいことは、本作が子どもたちの親にとっても魅力的だということだ。本作でディズニーは、どんなポップソングでもぴったりの演奏がなされれば、誰をもトリコにすることができると教えてくれる。(Tammy La Gorce, Amazon.com)