シングル「翼を風に乗せて～fly away～」「太陽と花びら」「ユートピアは見えているのに」を含む9thアルバム。デビュー11年目を迎えてグッと渋さを増した本作は、音数を抑えたシンプルなバンド・サウンド（だけど、アレンジはめちゃめちゃ洗練されている）と、豊かでカラフルなラインを描くメロディが融合し、特に30～40代の男性にアピールしそうな“大人のAOR”っぽいムードに仕上がっている。勢いだけではなく、経験とセンスに裏打ちされた彼らの音楽は、子どもっぽいアイテムばかりが流通しがちな今のシーンのなかで、とても貴重だ。（森 朋之）