うれしいことに、本作でのミゲルは絶好調。ささやかな幸せをかみしめる恋人の姿を歌った格調高い「Un Te Amo」や、旧友を訪ね、孤独と絶望を味わうという内容の「Devuelveme el Amor」を深みのある情感で染め上げている。だが憂うつ一色のアルバムではない。ノリのいいビートとTAKE 6のバック・ヴォーカルが印象的な「Con Tus Besos」や、スリリングで華々しいホーン、歯切れのいいパーカッション、思わず一緒に口ずさみたくなるエネルギッシュなコーラスをフィーチャーした「Con Tus Besos」は、ダンス・ファンを夢中にさせるだろう。
プロデュースの素晴らしさも特筆もので、全編にわたってミゲルのヴォーカルを最大限に力強く、情感豊かに引き出している。ソングライターとしてアルマンド・マンサネーロ、ファン・ルイス・ゲーラ、キケ・サンタンデールが参加。全11トラックを収録した本作は、ルイス・ミゲルが33歳となった今もなお最高潮にあるという確かな証拠となっている。(Ramiro Burr, Amazon.com)