アルバム『The end of the beauty』発表後に行ったツアーの最終日、渋谷AXでのライヴを収録したもの。中村達也、加藤隆史、Tokieのトリオによる演奏は、アルバムと同様にフリー・フォームなジャム・セッションが中心で、3人の絶妙な呼吸感や楽器同士が激しく軋みながら転がっていくさまなどが、たまらなくスリリングだ。瞬間ごとの刹那的な緊張感を重んじたスタイルなだけに、スタジオ盤よりもライヴの方が遙かにおもしろい。ゲストの金子飛鳥と土屋昌巳のハード・エッジなプレイも、音に広がりを与えていて効果的。カメラ・ワークも表情の変化を表情を克明に捉え、現場の生々しさをリアルに伝えている。曲間にはモノクロのオフ・ショットや風景の映像なども挿入し、全体としてクールなドキュメンタリー映画のような雰囲気が漂い、ひとつの映像作品としてクオリティが高い。（小山 守）