医療は自己責任なのか
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尊厳死をめぐる小松・荒川対談は、特集の目玉であるが、議論がほとんど噛み合わないまま終わる。それでも意見の対立する2人の、日本の医療が向かうべき方向性への認識については、一読の価値がある。
医師が足りず、医療の質が低下している。医療格差も再生産されつつある。医療が経済合理性に回収される今のトレンドには、批判の声を上げなければならない。では尊厳死やQOLはその中でどのような意味を持つのか。自己決定は幻想なのか。日本と西洋諸国の身体観にどのように橋渡しをするのか。多くの問題を提起している。