メンタルヘルスの特徴は過去や他人に目を向けないことだという。なぜなら、どんなに頑張っても過去や他人を悩みとする限り、症状を改善することができないからである。よって、変えることができるのは自分自身であり、自分自身の何を変えるべきかを考えることが重要だというのだ。そこで、筆者が主張するのはストレス一日決算主義を実行しようということ。ストレス一日決算主義とは今日のストレスをその日のうちに片つけてしまい、翌日まで持ち越さないようにしようという考え。どうすれば、そんなことができるのか。それは、毎晩眠るときに、今日はいい一日だったと思い、起きたときに今日はかんばるぞと思える生活をすごすことである。そのための、10か条を提供している。誰もが実行できる10か条である。
この本は筆者がおそらく患者に話しかけるように書くことを心がけているのだろう。わかりやすい。このようなわかりやすい説明をできる専門家は、これからの時代に求められる。本書を手元においてストレスを感じたときや悩みができたときに見直せば、きっと自分にあてはまる事例が見つかるだろう。