ピッチブラック ディレクターズ・カット [DVD]
価格: ¥4,935
メジャー・デビューを果たした『エイリアン』で映画界を驚かせた人物が、『ピッチ・ブラック』で、また期待以上のものを見せてくれた。デビッド・トゥーヒー監督は、『アライバル 侵略者』でも見せたように、どこかで聞いたことのあるようなストーリーを新鮮なものに生まれ変わらせる名人だ。ほんのちょっと考えるとすぐにストーリーラインの穴が見えてしまうが、それでも最後まで楽しめる。
3つの太陽が照りつける砂漠の星。そこへ宇宙船が墜落する。かろうじて生き残ったのは、操縦士(ラダ・ミッチェル)、刑事(コール・ハウザー)、そして殺人犯(ヴィン・ディーゼル)を含む数名。やがて彼らは、この星にうごめく怪物の存在を知る。太陽に照らされているこの星が、日食で暗闇にのみこまれる時、モンスターが現れる。死者の数が増えるにつれ、『ピッチ・ブラック』はSFムービーの色が濃くなるってくる。
トゥーヒー監督の映像のとらえ方には、ビデオ映画を劇場映画に変えられるほどのインパクトがある。『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』のように、観客に与えるヒントを効果的に使っている。モンスターの姿を見せずにおいて、その存在を感じさせるのだ(もちろん、一度そのおそろしい姿を見せるのも効果的だが)。『ピッチ・ブラック』は、パニック映画の要素を存分に秘めた作品だ。監督の選んだキャストも抜群。ラダ・ミッチェル(アリー・シーディと一緒に出ていた『ハイ・アート』が記憶に新しい)に、ヴィン・ディーゼル(『プライベート・ライアン』のカパーゾ二等兵)は特にきわだっている。その強じんな肉体を存分に見せてくれるディーゼル。彼の役柄の成長が、この映画をグッと引き締めている。(Jeff Shannon, Amazon.com)