元ゴッドフレッシュのジャスティン・K・ブロードリックが新ユニットで復活。2001年から2004年までかけて創りあげたサウンドはヘヴィ極まりないものだが、アンビエントかつポスト・ロック的なアプローチも取り込み、詠唱(チャント)風ヴォーカルやオルガンを多用。一種宗教的な荘厳さを感じさせる作品となっている。長く引きずるドローン音も印象的で、聴き終わった後も耳の中にいつまでも残るインパクトが鮮烈だ。特に「マン/ウーマン」での幽玄さと殺意を兼ね備えたダイナミックな音の広がりに身をゆだねてしまうと、もう二度と戻って来れない彼岸のかなたに旅立っていく。
ゴッドフレッシュ時代には冷徹なエレクトロニック・ビートを用いることも多かったジャスティンだが、本作では元スワンズ~プロングのテッド・パーソンズがドラマーとして参加。よりオーガニックな音作りで攻めている。まさに“聴く涅槃楽”。(山崎智之)