永井先生らしい
★★★★☆
従来描かれてきた「女帝≒中継ぎ」説を永井先生の独自理論で
「裏返し」まくった本作はいかにも永井先生らしい作品で、
楽しく読むことが出来ます。
聖徳太子の陰に隠れた推古天皇など、同時代の業績と女帝との
リンクが確かに弱い部分があります。しかし、よくよく考えてみれば
数十年の長期に亘り君臨した女帝に政治力がないはずもなく、
ただの飾りではないはず。
2000年の歴史の中で男尊女卑の視点や強者(藤原氏)の歴史
の中で恣意的に隠されてきたポイントを再構成し、本当の姿
を再検証しようとする本作の試みはなかなかに興味深く、
勉強になる部分が多かった。
是非頭を柔らかくしてご一読いただきたい。