Keep Them Confused
価格: ¥661
長年のファンは顎をかきむしりたくなるだろうアルバムだ。これがあの荒々しくアンプから爆音を流した『Leche Con Carne』と同じバンドだろうかと。「For Fiona」のようなほろ苦い歌詞の曲を聞くと、彼らはエモに移行するつもりかと思うだろう。シングルになりそうな曲はどれも、グリーン・デイを追い抜こうとして作ったものではないかとも思わせる。1987年からアメリカン・パンクを引っ張ってきたバンドに対しては、どれももっともな懸念だろう。だが、結局はそれほど心配することはない。ノー・ユーズ・フォー・ア・ネームは初期衝動を失ってはいない。「Bullets」と「Killing Time」はハードコアの本能が生きているいい見本だ。しかし、明らかに円熟味を帯びてきてはいる。シンガーのトニー・スライの声はクリス・マーティンの領域に近づきつつあり、ミッドテンポのロックがこのアルバムの大部分を占めているが、避けられない大陸的な衝動が最初から最後まで明らかな輝きを放っている。(Aidin Vaziri, Amazon.com)