Extraordinary Ways
価格: ¥827
穏やかなシンガーたちと瑞々しいエレクトロニックの質感は、息苦しいロマンチシズムと過度の甘ったるいポップの処方箋となる。コンジャー・ワンを動かすライス・フルバーは彼の他のバンド、デレリアムのラスト・アルバム『Chimera』で負けてしまった。だが、フルバーのポスト・デレリアムのプロジェクト、コンジャー・ワンでは同じ公式を使いながらも、よりダークで時にはさらに不吉なエッジのあるものとなっていた。長らく待たれた彼らの2枚目のCDは、スーパースターのシンガー、シンニード・オコナーが他のあまり知られていない歌手の集団に埋もれているが、他はほとんど変わっていない。「Endless Dream」は前作のアルバムの「Center of the Sun」のように聞こえるが悪くはない。おそらく、魂に取り憑くようなコーラスで、切望の歌詞が聖堂の高みにあまりにも近い気はする。この曲のヴォーカルのクレジットはジェインとなっているが、人間のクローン化を完成した人がいない限り、これは実際はシンガー・ソングライターのポーで、前作のCDから引き続いての参加となる。彼女は温かみのあるクリスタルのように透明なアルトの声をもち、アルバム・タイトル曲のようなぎこちない歌詞でさえも、天の嘆願のように響かせる。ジョアンナ・スティーヴンスは「Dying Light」で言葉を控え、中東の無言の賛歌を通じて恍惚とさせるグルーヴを聴かせる。コンジャー・ワンは異なるプロジェクトになる――きらめくエレクトロ・ポップのオーケルトラル・マヌーヴァ・イン・ザ・ダークを思い出すだろう――-ライス・フルバーが「Beyond Being」やバズコックスのカバー「I Believe」を歌う時は。だが、シンガーのティフ・レイシーとケムダがコンジャー・ワンのサウンドを復活させている。オーケストラ風のエレクトロニカ「Pilgrimage」から心を揺り動かす親密な「One Word」。『Extraordinary Ways』は簡単に人の心を引きつけることのできるアルバムだ。(John Diliberto, Amazon.com)