心配性の mum たち(アメリカ人には mom(母親)と言えばわかりやすいだろう。なんと言っても、バステッドの住む大西洋の向こう側の十代の世界では、car boot とは trunk(トランク)のことで、arses とは ass(尻)のことで、ボーイフレンドを chuck するのではなく dis(軽蔑)するのだから)は、バステッドの歌詞が、おならをすることやふしだらな関係について触れていないことに、いくらか胸をなでおろすかもしれない。けれども、のぞき見の告白であるヒットシングル「What I Go to School For」や、(「君を心の底から満足させてあげる」と歌う)ブリトニーへのセクシーなファンタジー「Britney」では、ベッドの下に隠すポルノ雑誌的な話題を今のところは歌わずにはいれらないことをうかがわせる。
中途半端な不良っぽいイメージと分裂症気味の歌詞は別として、本作から聴こえてくるのは、若者3人のたしかな才能とメロディーセンス(彼らは自ら曲を作る)とイギリス的なかたくなな生意気さと、怒れる(もしかすると、やや不機嫌な程度の)ギターだ。そして、十代の日々における不幸(「ディスコで踊らないかと君を誘った…でも断られた」)も陽気でわかりやすい方法で理解させてくれる。できればセンチメンタルすぎるバラードは捨ててもらいたいところだし、彼らならそれができるはずだ。(Kevin Maidment, Amazon.co.uk)