本作の大きな功績のひとつは、多くのいわゆる「ミックス・コンピレーション」をシンプルなものにしたことだ。そんな本作が、無味乾燥なリズムがあふれる今の音楽状況のなか、再リリースされるのはこれ以上にない、うってつけのタイミングと言える。まったくミスのないビートとともに、有名なLPが的確に矢継早にくり出され、力強く想像力豊かなペースで次々にピークへと登りつめる。
多くのすばらしい音楽に数々の巡り会いをもたらしたこれほど熱く予測不可能なミックスは、現在でさえほとんどお目にかかれない。だからこそ、ジョナサン・モアとマット・ブラックによる開拓者精神に満ちたこの不朽のコンピレーションは、制作から7年たった今でも大きなインパクトを持っているのだ。もし本作をリリース時に見逃していたのなら、今回がコレクションに加える絶好の機会だろう。(Paul Sullivan, Amazon.co.uk)