二〇四空ガ島航空戦記の決定版!
★★★★★
一人の戦闘機乗りの人生を、ここまで克明に描いた本はこれまで皆無。本人の日記を始めとする超一級新資料の発掘、生き残り関係者や遺族への綿密な取材。信頼関係がなければ、ここまでの大著はできなかったでしょう。まさに神立さんならではです。主人公や部下搭乗員の姿が生き生きとしていて、他のどの本でも読むことのできないヴィヴィッドな物語が展開されていきます。結果的には主人公・宮野大尉も列機搭乗員のほとんども戦死しますが、分厚く内容も重い本なのに読後感が不思議と爽やかなのは、神立さんの筆力でしょうか。二〇四空ガ島航空戦記の決定版ともいえる一冊。おススメです。