FM向きロックの「Turn It on Again」「Back in the Day」は別として、本作はこのうえなく飾り気のない洗練されたコレクションであり、愛を軽々と奏で、泥くさいトラックをゆったりとしたテンポに乗せ、キャンプファイアーに胸を痛めている。元ディーコン・ブルーのシンガー、リッキー・ロスと共作した「She Get's Me Inside」は、甘くメランコリックな親愛の情にあふれているし、これまたかつてのポップスター、テレンス・トレント・ダービーの書いた「Let Her Down Easy」は驚くほど傷つきやすい気持ちに悲しげに寄りそっている。このほかにも、愛すべきスローバーナーがいくつもある。
初期のシングル「Life Is a Rollercoaster」「Lovin' Each Day」ではあらゆる年代に向けて圧倒的なコーラスを聴かせてくれたものだが、そうした楽しさには欠ける本作は、興奮させてはくれないが充実したアルバムと言える。(Dan Gennoe, Amazon.co.uk)