ハロー！プロジェクトと小演劇界スタッフのコラボレートによる劇団ハロプロの旗揚げ公演を収めたDVD。お話は、ケータイを持ったまま江戸時代にタイムスリップしてしまった現代の中学生少女2人が、ある条件でケータイが圏内になる瞬間を利用しながら事態に対処していくというもので、舞台の内容そのものは少女たちの健気な一所懸命さに好感が持てる可愛らしい仕上がりで、小演劇的世界観とのミスマッチ感覚も楽しいが、それを映像に収めるに際しては、彼女らのPVに倣ってか、カットを細かく割り過ぎてのガチャガチャした感が否めず、またアイドルものであることを意識しすぎたのか、やたらアップが多く、せっかくの舞台の空気感まで損なわれてしまっているのがもったいない。せっかく少女たちが全身で演じているのだから、引き画を主軸にもっと落ち着いた編集を施すべきであったと思うが、舞台そのものを観ている方や彼女らのファンにとっては、この方がむしろありがたいのかもしれない。（増當竜也）