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夢のつづき (幻冬舎ルチル文庫)

価格: ¥580
カテゴリ: 文庫
ブランド: 幻冬舎
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商業誌二作目の再出版 ★★★★☆
1999年に出版された夢のつづき の再出版。『茅島氏の優雅な生活』の最初の本も同じ年に出ている。茅島氏に登場する美貌の内科医が主人公のひとり。その恋人である友臣の視点から語られている。シリーズで多数の同人誌が出版されている。その大筋をまとめた形になるので、この本だけ読むと少しものたりないかもしれない。落とされた枝葉が惜しい気がする。(再録集は「simpathy」というタイトルで二冊ある。)

大きな病院の院長の庶子として生まれた聖司は、跡取りの兄から虐げられ陵辱される日々を送っていたが、医大の先輩である友臣に密かな恋心を抱いていた。それすらも兄に利用され、いったんは友臣に軽蔑されるような目を向けられたが、紆余曲折を経て二人は一緒に暮らすようになる。

美貌の青年が虐待される話は、当時いろいろな人が書いていた題材だ。遡れば、ジルベールにたどりつくような気がする。友臣の両親は名香智子さんの『パートナー』の茉莉花の両親を思い出させる。JUNEからBLへの過渡期の作品だが、最近の作品と読み比べてみるのも面白い。
色あせない物語 ★★★★★
茅島氏の主治医、聖司の切ない恋のお話です。
同人誌で読んだのはもう10年以上昔になります。
何度も増刷されて、続編がぱらぱら出たり、総集編に入ったり、商業でも出て。
今回の文庫化にあたり、また新たなイラストで読んでみましたが、ぜんぜんストーリーは色あせていない。

聖司は遠野作品の主要人物としてはかなり弱い、儚い存在で、たとえば情熱シリーズの佳人のような強さは持ち合わせていないし、茅島氏のような独特な存在感もなく、月より密かにまたたく明度の低い星のような人。
天使のような美貌、肉体は淫らに熟れているけれど、内面はとても普通で、ちょっとずるくて臆病な人。
共感はできないのだけど、誰か彼を見つけてあげて、愛してあげて、と願ってしまう薄倖の人。

とにかく、友臣に宝物のように愛される日々が、甘くて甘くて劇甘です。
兄の理不尽な愛情に翻弄される日々は少し痛くてつらいけれど、その後のラブラブとの糖度の差が引き立つので、ぜひご賞味頂きたいところ。
いや、正直に言っちゃうと、フランス人形のような聖司がよってたかってあれやこれやされちゃうのには嗜虐心が満たされるというか、それはそれで思いっきり楽しんでしまうのでした。
壊れたようにベッドに横たわってきれいなガラス玉みたいに目がうつろ〜になってるとか、そそられます。
ついいじめちゃうお兄ちゃんの気持ちもそれはもうよくわかってしまう・・・

書き下ろし短編「サラセン式庭園と紳士」は、聖司がオーバーワークで肺炎に倒れ、某紳士がお見舞いに訪れる小話。
なんてことないお話だけど、茅島氏ファンならこのためだけに買うのもありかなと思います。
ちなみに、こんな短い話だというのに、友臣は「あんたらいくつ?!」と突っ込みたくなるほど、聖司にベタアマです。

本人たちは節度あるつもりだから始末に終えない(苦笑)