ウェインズ・ワールド スペシャル・エディション [DVD]
価格: ¥1,500
米TV局で放送されている人気番組「サタディ・ナイト・ライブ」は、鉛を金に変える錬金術師のようだ(多くの場合、金を鉛にしてしまうのだが)。「サタディ・ナイト・ライブ」から飛び出したキャラクターは、映画化されるとそのおもしろさを失ってしまうことが多い。コンパクトにまとまったエピソードに、いろいろ余分なものをつけ加えて長編を作ることになるからだ。『コーンヘッズ』しかり。しかし、この『ウエインズ・ワールド』は違う。マイク・マイヤーズのちょっとお下品なジョークは最高に笑わせてくれるし、マイヤーズが映画の中のキャラクターを100%理解し演じ切っていることも成功の要因だろう。
ウエイン・キャンベル(マイク・マイヤーズ)はティーンエージャー。オタクキャラのガース(ダナ・カーヴィ)は親友だ。イリノイ州オーロラにある自宅に両親と一緒に住んでいて、ローカルのケーブルTVで自主制作のショーを放送している。大好きな女優やヘヴィメタル・バンドについて語りながら大騒ぎする番組は、若者を対象に人気が爆発。その噂を聞きつけたシカゴのTV局の重役(ロブ・ロウ)は、番組を吸収しようと企てるのみならず、ロック・バンドのボーカリストでウエインのガールフレンド(ティア・カレル)を奪おうとする。ウエインひとりだけがカメラに向かって語りかけるスタイルで展開するストーリーには、映画やコマーシャルなどのあらゆるパロディが満載。ロマンチックなシーンには「Gratuitous Sex Scene」(“セックスシーン無料公開中”)と字幕をつけるなど実にハチャメチャ。おバカだけど最高に笑える映画だ。(Marshall Fine, Amazon.com)