Eye to the Telescope
価格: ¥488
エジンバラ出身のアーティスト、KTタンステゥールが出したデビューアルバム「アイ・トゥ・ザ・テレスコープ」は、心地のよい響きで、コーヒーの味で例えると、味の薄い「カプチーノ」と、濃すぎる「エスプレッソ」のちょうど間にあたる味だ。KTタンストゥールはスターの素質を持っている。『サドゥンリー・アイ・シー』は、自由でポップの刺激で、その反対に『フォルス・アラーム』はアバの「ザ・ウィナー・テイクス・イツ・オール」のリメイクで、怖いもの知らずの為の歌だ。「埋めたい穴を埋めようともがいている」と歌うタンストゥールは、この妥協に完全に満足しないで、メッセージ性の強い『ミニチュア・ディザースター』ではポップなメロディーを、フォルクっぽいブルース調か重いジャズで包み込む才能を上手く引き出しており、彼女の望む自由な自己表現が実現している。オープニングの「アザー・サイド・オブ・ザ・ワールド」は比べられてあまり本人は嬉しくないようだが、悲しみを取り除いたダイドーの様だが、「アイ・ツー・ザ・テレスコープ」は ケイティー・メルアよりキャロル・キングとエルビス・コステロに精神的には近いだろう。