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Greendale (Bonus Dvd)

価格: ¥1,557
カテゴリ: CD
ブランド: Reprise / Wea
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   理屈だけで考えれば、本作『Greendale』がニール・ヤングとしては上の部類に入るアルバムだとは思えないだろう。何しろ本作は、風変わりなコンセプト・アルバムであると同時に大衆劇場的な作品でもあるという内容で、ヤングらしいざっくばらんな視点で描き出される「純朴なアメリカ」――閉鎖的で感傷的、そして時に外国嫌いなアメリカ像――と、焦点がぼやけているにせよ善意から発せられている反企業的、環境賛美的なスローガンがごちゃ混ぜになっているのだ。このようにテーマを明確に打ち出すアプローチは、およそヤングには向いてない。実際、本作のエコロジー賛歌「Be the Rain」を聴くと、『After the Goldrush』がいつになく詩的な名調子に聴こえてしまうほどだ。だが『Greendale』は、神秘性に欠けるぶん、愛情とケレン味で勝負している。声は以前より張りがなくなっているが、ヤングはこの数年間でもっともエネルギッシュな歌を聴かせている――2001年の『Are You Passionate』でのメソメソした、寝ぼけたような歌声とは大違いだ。ヤングが今回の素晴らしいアルバムから引き出してくる喜びには曇りがなく、さえないパッセージを超えて聴く者の胸に迫ってくるのだ。

   管理魔的なところとだらしなさが入り混じったヤングの特異な性分のために、『Greendale』は荒削りな仕上がりとなった――コンセプト・アルバムというものは過剰に練り上げられているのが常なのだが。クレイジー・ホースは彼らならではの気恥ずかしいまでの無邪気さと戯れている。クレイジー・ホースとヤングが飾り気のないスピリットを吹き込んだ「Devil's Sidewalk」や、美しくもとりとめのない「Carmichael」を聴いていると、彼らの気ままさをおおむね許してしまえる。超常的といっていいほどひどい「Be the Rain」にも救いはあって、ヤングがメガホンを通したかのような抑揚のない叫びをあげ、決まり文句を並べたてる自分の妻の歌声をさえぎるのだ。また、ハッキリしたかたちではないが、ヤングは年齢についてのきわめて個人的な感慨を一見客観的なドラマの中に忍ばせている――とりわけ、心のこもった曲「Bandit」の中に。(これは、ルー・リード――ヤングとは無縁そうでいながら同じ道を歩んでいるアーティスト――が過小評価されたアルバム『The Raven』で用いた手法に非常に近い。)この妙技をまずはお聴きあれ。これは、ここ数年でもっとも魅力的なニール・ヤングのアルバムである。(John Mulvey, Amazon.co.uk)