田亀作品の入門編として
★★★★☆
作者の田亀さんがあとがきで『幕の内弁当的なバラエティ感』と表現しているように、様々な作品が楽しめる一冊です。
誤読感も、微笑ましいものからダークなものまで色々です。全体を通してみると、明るい感じが勝っているように思われます。
お手頃な値段ですし、田亀作品の入門編としてオススメします。
安定した世界観
★★★★☆
日本が世界に誇るゲイ漫画家、田亀源五郎さんの最新作ですが、内容は2000年から2009年の作品と比較的多岐に渡っています。
氏は登場人物の男性が激烈な攻めを受ける描写で有名ですが、本編では「晒し台」「ECLOSION」にハードな攻め、「汗馬疾々」「雨降りお月さん」では愛の有る攻め、「マゾ」では愛の無い攻めが受け取る側に拠って快感に変化していく様が描かれており、期待以上の出来です。
特に「苦悩の梨」という拷問道具は絶対に入れられたくないと思いました。
悶々とするお爺さん中将が可愛らしい「長夜莫々」、叶わぬと思っていた恋が実る「稚児」と「神経性胃炎」は温かくユーモラスな読後感を抱かせます。
個人的にお薦めはAmazonの内容紹介にも有る「DISSOLVE」です。ここには肉体的な攻めで心が壊れてしまった者を看て近しい人間が受ける精神的な苦痛を見事に描いており、思わず泣けてしまいました。
指定が付いて居ないのが信じられない刺激的な内容ですが、大人の方には文句無しにお薦め致します。
今回は
★★★★☆
今回は短編集という事で普通の厚さのコミックスに9作品と盛り沢山。様々な時代、設定が混ざっておりました、ただそんだけ詰め込んでるので一篇一篇がとても短いです。田亀作品が初めてという方には向かないのではないでしょうか。同じ出版の『ウィルトゥース』と比べるとかなり過激です。『ウィル』の方はBLを意識された感が有りますが、こちらはBL色は皆無です。あと受の年齢層が高めな感じを受けました。これは収録されてる「長夜莫々」の印象かも。私的なお勧めは「ECLOSION」です。SF色あるこちらの作品は、禁断作品集の「ZENITH」を彷彿させます。