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漂流街 (徳間文庫)

価格: ¥1
カテゴリ: 文庫
ブランド: 徳間書店
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ハッピーエンド ★★★★☆
主人公マーリオを始めとした登場人物の複雑に絡み合う思惑とか、
マーリオの感情的かつ場当たり的な行動とか、狡猾な登場人物とか、バタバタ
と死んでいく展開とか、嘘とか裏切りとか薄っぺらい愛情とか。。。期待通りとも
ワンパターンとも言えるストーリー。複雑な裏の策略が少ないので、頭を使わず

に読めるかも知れません。結末も期待通り。物語後半の行き詰った状況にあって、
ある意味ハッピーエンドだと思います。

馳ワールドが炸裂するロマンノワール! ★★★★★
主人公の日系ブラジル人マーリオが絶望に向かって疾走していく様を見事に描き切っている。外国人・暴力・ヤクザなど、馳ワールドに欠かすことのできない要素は全て詰まっている。物語の展開としては、前作、前々作の模倣と捉えられてしまう面もあるが、読み手にそれを感じさせながらも、ページをめくらせて読ませてしまう馳星周のパワーには心底恐れ入る。
「役者には演れない」―暗黒を走る悪のパワー ★★★★☆
大作「ダーク・ムーン」のあとに読んだのだが、一人称の使い方が独特なリズムを持っていてこちらも一気に読み終えてしまった。一人称の主人公による後日談ではなく、かといってモノローグといえるものでもない。プロットはあくまでも現在進行形なのだが、日本語による文章スタイルとしては、この作品のように過去形のほうが読みやすい。現在進行形の海外の原書は、時制までそのまま無理矢理に翻訳しているケースが多いのだが、どうもまだこなれていない。作者のホームページなどを見ても、文章にこだわりを持っている作家らしく、良い意味で通常のアクション・テラーではないのだろう。

物語の構成は、基本的に破滅的な展開の一言に尽きるのだが、ほとんど飽きさせない。ただ、二人の女を現代日本とブラジルの文化的な象徴のように扱う最後のほうの流し方には、ミステリー性が突然醒めさせられるところがあった。書き込みや仕掛けに若干の不足感は否めない。そうはいっても、大沢在昌あたりでは食傷ぎみでシリーズの次作に手を出す気にならない向きには、現代社会を罵り倒す小気味さがたまらないはずだ。これを映画化した三池監督は「役者にマーリオは演れませんよ」と作者に答えた旨を「解説」に記している。織田裕二とか金城とかメジャーな役者じゃダメだというのである。漂流街の語り手はそういう主人公なのだ。……どう?面白そうでしょう?

おなじみの展開だが ★★★☆☆
 不夜城など馳作品を読んでいる人にとっては、何となくおなじみの展開かもしれない。
 暴力、薬、そして外国人とヤクザ。
 その意味で意外性を期待して読むと、ちょっと不満が残るかも知れない。
 しかし、依然として筆者のパワーは衰えていない。一気に読み、読了後の満足感は健在だ。

 日頃難しいことばっかり考えて、しかめ面しているあなたにお勧め。

これが漂流街だ! ★★★★☆
暴力・銃・風俗・ヤクザ・・・ハードボイルドの面白さはもちろんのこと、主人公の日系ブラジル人マーリオのブラジル人と日本人との狭間に揺れ動く心理描写が上手く表現されている。結構、厚い本だが、あっという間に読み終えてしまった。映画化されているが、映画を見る前に是非一読を!