男性作者、という噂を聞いて気になったので購入致しました。
開いてみて、絵がうまいなというのが第一印象でした。

一番驚いたのは漫画のテンポです。
ＢＬ漫画っぽくない、と感じました。
ふわっとした感じではなく、ガンガン進んでいく感じ。
背景もあっさりしたものでなく、すごく良く書き込まれているなと思いました。
コマの隅々まで読みたくなってしまう、そんな感じの書きこまれ方でした。

多くの人が言っている通り表題作、面白いです。
よくあるＢＬっぽさではなくリアルなものを感じました。
性描写もそんなに長くはないんですが、なんか濃くてエロい。
女性向け描写というより男性向け描写のような感じで、
男性作者ならではなところかな？と思いました。

２作目のキャバクラマネージャーと社長のリバ作品では腐女子が登場しますが、
このキャラの使われ方がうまいなぁと感じました。
ありがちな、ページの端で「ＢＬ萌え！」とか叫んでいる感じでなく、
この漫画の場合は二人を発展させるキーマン的な役割を果たしており、
こんな風な使い方をする方法もあるんだ、といった感じでした。

次回作があるならば買ってみたいと思わせる作家さんでした。

どこに重きを置くかで好みがはっきりと別れるでしょうね。
今時のちゃらっとしたＢＬが苦手な私には、不思議と惹かれる所のある作家さんです。

さじ加減のバランスが悪いんですよ（笑）
細かに作り込んだ所や仕草、表情など、重きを置いた所は圧巻です。
逆に、男性作者というところで、腐女子の「きゅん」とするところを取り違えていたりもする。
女の子が都合良すぎたりね（笑）

しかし、こういうバランスは他の作家さんにも言える所で、
この方の良いところは「ページの関係で削った（はしょった）のかな？」と思っても
一生懸命なのが見える所。
応援したいです。

そう言うところに一生懸命研究している様が浮かびます。

が！
表題作の田所さん（攻）の
「犯すぞこの野郎」
みたいな顔（笑）には撃ちぬかれました。
それだけで買った甲斐があった（笑）
そういう所が上手い作家さんだと思います。

チッチの「みよもとそん」とか超可愛いです（笑）

エンドルフィンマシーン同様絵が艶かしくエロさがでていて雰囲気があります。
受けの甘えべたな感じも個人的に好きでした。
他に短編が３つと書き下ろし作品が収録されています。
リバ表現ものの短編があるので苦手な方にはおすすめできないです。

妻に逃げられた二人の男が子育てと仕事の両立に奮闘し、同じような境遇の相手との恋におちるんですが、子供のことを優先ししっかり未来を考えているパパたちにリアルさを感じました。
正直、表紙の絵がダサいというか野暮ったいので買うのを迷いましたが中の絵はかなり綺麗で上手いです。パースもしっかりとれています。
表紙の絵は作者の力の１０分の１も出せてないんじゃないかと思います。表紙で迷っているなら絶対買ったほうがいいと思いますし、買わなきゃ損します。
丁寧な話の展開と美しい絵で☆５つです。

なんなんですか、このフェロモン。色気があふれています。
「テメー犯すぞ」みたいな顔には、ホント息をのみました。。。
次作も絶対買います！！