ホワット・ウィ・ディッド・ラスト・サマー~ライブ・アット・ネブワーズ [DVD]
価格: ¥4,800
『ホワット・ウィ・ディッド・ラスト・サマー』は、2003年8月ネブワースで行われたロビー・ウィリアムスの3日間にわたるライヴを記録したもの。ロンドン郊外のほとんどの州の人々が、のどかなハートフォードシャーに集結した。コンサートをみるために、うんざりするような交通渋滞と強烈な暑さに耐えた37万5千人のファン(巡礼者ともいう)にとって、ウィリアムスはまさにポップスの救世主。2時間のライヴを通じて、人々を啓発することで満足を得るスターのイメージだ。大観衆をうならせたもう1人の有名な人物のスタイルを借りたオープニング。カーテンが落ちるとそこには、伝説の縄抜け名人の衣装を着たロビーが、まさにフーディーニのごとく逆さまに宙づりになっている光景で幕を開ける。そのフーディーニのように、ウィリアムスは観客を絶えず魅せ続けることに成功している。何十万という人数にもかかわらず、ロビーは観客と一体となろうと最大限の力を尽くす。観衆ひとりひとりの心に語りかけるというほぼ無謀ともいえる試みに、自分の魅力すべてを駆使しながら。ロビーの衣装についている色々なアイテムが観客にむかって投げられ、ひとりの女性ファンが前列からステージに引き上げられる。ミスター・ウィリアムスが特権を利用して、合意の上で彼女に長いディープキスをするイベントだ。さらに暗くなると、一斉にカメラのシャッターを押すように観客に要求。脈動する星雲のようにまたたく壮観なカメラのフラッシュは、その時ステージにいる者だけが味わえる特権だ。
グレイテスト・ヒッツと『エスカポロジー』からの曲を中心に組まれたショーのセットは、ヒット曲と地味な曲を滑らかにつないでいく。それでも、新旧とりまぜた曲目にもかかわらず、ショーには、いささか緩慢な空気がただよう。おそらく、ほかにも数多く出ているロビーのDVDのせいか、度を超した知名度のせいか、または彼自身が認めているように、キャリアの頂点を極めてほかに行く場所がない状況のせいなのか。ファンがついていくかどうかは時がくればおのずとわかるだろう。しかし、このコンサートでは頂点にいる最高の瞬間のロビーをみることができる。(John Galilee, Amazon.co.uk)