シルクで紡がれたようなデュラン・デュランのニュー・ウェイヴ・クラシックと、きっちり構築されたビートルズのサイケデリック・エピックの双方から影響を受けているという本作『Fly or Die』は、2002年の『In Search Of...』に続くアルバム。にぎやかで勢いのあるディスクだが、中でもハイライトとなるのは、「She Wants to Move」やグッド・シャーロットのメンバーたちとのコラボレートした「Jump」に代表される、荒々しさを売りにしたトラック。前作で特徴的だったニュー・メタル調の爆音は、より本作にふさわしい70年代風のヴァイブに席を譲っている。まるでスライ&ザ・ファミリー・ストーンとE.L.O.に挟まれた不浄の十字架のようなバンド・サウンドだ――しかも、ア・トライブ・コールド・クエストのフィルターを通してある。申し分ない出来だ。(Aidin Vaziri, Amazon.com)