CLAMP先生のデビュー作『聖伝』が完結し、今年で９年が立ちます。CLAMP作品はどれも心を打つ魅力的な作品ですが、個人的にこの『聖伝』は『東京BABYLON』と並び一番好きな特別な不滅の作品です。聖伝終了時から漫画から遠ざかった私に取って、完結後５年経ち画集が発売されていた！と知ったのは最近の事でした。画集の価格は高めですが大慌てで即購入しました。聖伝の画集は２冊ありますが、購入を検討されている方は、聖伝画集の完全版とも言うべきこの『天魔劫火（てんまごうか）』をお薦めします。お薦めポイントとまとめます。

○イラストと言うよりも絵画的な、もこな先生の絵の変化、多様な画材
　での表現・質感、筆使い、美しい色彩表現をダイジェストで見れる。
　絵の変化に伴い、現在の作品では見られない、繊細・緻密でありなが
　ら大胆な表現法の絵、荒々しく情熱的なエネルギーが伝わってくる。
○漫画を読むだけでは伝わらない、聖伝の世界と登場人物の魅力を堪能
　できる（新発見がある）
○貴重なCLAMP先生のインタビューが読める！
○もこな先生の毒と艶がある美しい絵を愛する人へ！エネルギーが湧い
　てきます。

『天魔劫火』は『聖伝』を愛してやまない、全ての方にお薦めしたい画集です。

　『非天夢魔』とかぶるイラストも数点ありますが、およそ４～５巻以降の時期の未収録イラストがほとんどで、単行本各巻のカラー扉絵や、Wings掲載当時の各話扉絵、雑誌表紙絵、OVA宣伝イラスト、などなど、当時リアルタイムで見逃してしまった人にはとても嬉しい内容です。モノクロイラストは大抵が各話扉絵ですが、けっこう気合の入った絵を選んでいるので、これも見応えがあります。
　単行本では省かれているイラストの数々、一気に見るのにとても手ごろな本です。