ベタな設定でありながらも、ただの料理対決だけでは済まさない良く練られたストーリーと、まるで漫画を実写化させたようなアクロバティックなギャグの応酬によって観る者を全く飽きさせない強力なコメディー映画だ。カレン・モクの強烈特殊メイクや少林寺ネタ、名優ロー・ガーイン(羅家英)のズラネタ等、シンチー映画のお約束も満載。いつもコンビを組んでいるン・マンタが、今作では悪役に回っているところも興味深い。
また、通常の日本語字幕では割愛されてしまう細かいギャグ等を忠実に再現した「セリフ完全翻訳字幕」収録という細かい配慮も、シンチーファンの心を大いにくすぐる。間違いなくチャウ・シンチーの代表作のひとつであろう本作は、92分間まさに抱腹絶倒のとんでもないエンターテインメントだ!(川島うどん)