これはダウングレードか!?
★★☆☆☆
「限りなく連載時の原画」に近づけた。「原画蘇生!」の謳い文句に購入し、
よくよくその過程(巻末に写真入りで解説)を読んで驚愕した。
これまでの「鉄人28号」は単行本の際、「作者の横山光輝自身の手」により
大幅な加筆、修正がほどこされてきた。
それを「再構成されたもの」と判断し、あくまで「連載時の原画」にもどすべく
「著者のタッチを熟知した」第三者によって、トレース、模写、パソコンを
駆使しての再構成し補って、でできあがったのが、この作品集という。
し、信じられない!
正直、一読した時は唖然とした。
作者本人による加筆、修正された作品よりも
第三者によるトレース、模写で補ったものが優先されてるからだ。
それを「原画蘇生」といってしまっていいのだろうか?
著作権者の了解を得てるとはいえ、ファンからすると素直に喜べないのは
私だけであろうか?
原作完全版からさらに手が入ってるそうで
★★★★★
初出 月刊「少年」 1956年7月号別冊付録〜1957年4月号別冊付録
原作完全版が全24巻だったのに対し、この文庫は全18巻なので1冊あたり1.5倍。
それはさておき、巻末の「読者の皆様へ」のページに衝撃の文章が。
潮出版社文庫「鉄人28号」全18巻は、先に小社より刊行された「鉄人28号原作完全版」全24巻を元に再編集したものです。「原作完全版」刊行後発見された原画部分については「原作完全版」同様に復元作業を行い差し替えました。
というわけで、原作完全版を持ってる人も買いです。
単なる装丁替えではありません。
ここまでやるなら、掲載区切りを明示して扉も収録して欲しかったなぁ。
という悔しさで☆1つ減にしようと思ったけど、やっぱり満点☆5つつけちゃうか。