リトル・マーメイドII [DVD]
価格: ¥4,935
ディズニーの代表作、『リトル・マーメイド』の続編である。アリエルとエリック王子の心配は娘のメロディのこと。海の魔女アースラの邪悪な妹モルガナ(声:パット・キャロルが一人二役)がメロディを狙っているというのだ。すぐさまアリエル夫婦はメロディ誕生までのいきさつを隠すことに決め(「眠れる森の美女」のブライア・ローズさながらか)、モルガナのいる海に娘を近づけまいとする。そのメロディも今や好奇心いっぱいのティーンエイジャー。こっそり海に出かけてはアリエルとも古いつきあいのセバスチャンやスカットルと遊びたわむれている。やがてモルガナの口から真実を告げられたメロディは、そうとは気づかず彼女の策略にはまり、人質となってしまう。母アリエルは娘を助けるため再び海中へ…。
ディズニーのビデオ限定版続編の例にもれず、『リトル・マーメイドⅡ』も映像、音声ともに素晴らしい(声優も前作とほぼ同じ顔ぶれ)。『リトル・マーメイド』を見て育った4歳から9歳の子どもたちなら、おなじみの登場人物との再会に大喜びだろう。覚えやすい歌が4曲、哀愁漂うペンギンと太ったセイウチのコンビ、ティップとダッシュなどの楽しい仲間も新たに加わり、新スタッフの意気込みがうかがえる。しかし続編として『美女と野獣』(『ベルの素敵なプレゼント』)がクリスマスをテーマに入念なストーリーを、『ポカホンタス』(『イングランドへの旅立ち』)がイギリスへの歴史的な旅物語を展開したのに比べ、本作の筋書きは不自然なところがある。キャラクターを変えた前作の焼き直し、と言っても過言ではない。ティップとダッシュはティモンとプンバァの生まれ変わりだし、モルガナの容貌はアースラを細くしたもの。この続編には華やかな音楽だけでなく、前作がもっていた魅力の一つ、ハートが欠けているのは残念。 。(Doug Thomas, Amazon.com)