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蛍雪時代―ボクの中学生日記 (第1巻) (講談社文庫)

価格: ¥89
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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生きる子供と大人を描ききった大傑作 ★★★★★
矢口先生の自伝的エッセイ・コミック。
作者の生まれ育った、秋田県は奥羽山脈の寒村が舞台です。
民主主義教育が始まって間もない頃、強い自主性を持った生徒たちの痛快なストーリー。
大自然の音が聞こえ、澄んだ空気が匂い立つようで、とても清々しい気持ちになれるデッサン力。
豊かな四季の移ろいの中で育まれる純朴な心が丁寧に描かれた、稀有な作品です。

気持ちよいくらいの自主性を持った忙しい中学生たちの、なんとも逞しいことでしょうか。
そんな生徒たちの情熱を広い心で最大限に理解し、協力し続けた先生方には感心を越えて感動すらします。
また、高雄少年を優しい眼差しで見守り、身を粉にして働き支え続ける"アバ"。まさに「母は強し」です。
当時の農村の実態、昆虫や動物の生態、大自然の厳しさや摂理、生活の知恵なども描かれており、
子供たちには社会や道徳をいつの間にか学べる一冊、大人たちにとっては学校教育や子供との信頼関係について考えさせられる一冊になるでしょう。
かといって難しく考えることは無く純粋に楽しめるマンガであるし、大傑作だと私は確信してます。

各巻の主なキーワードは次の通りです。
第1巻 校門・吹雪・田植え・担任の先生・盆踊り(準備)
第2巻 盆踊り(当日)・上映会(七人の侍)・農産物品評会
第3巻 探検・江戸画家・石運び・修学旅行
第4巻 グラウンド作り・運動会・釣り・ケンカ・友情
第5巻 漫画少年・文化祭・進路・エピローグ
全巻を通して登場人物が本当に生き生きと描かれているので、なんだかこの時代が少し羨ましく思えるほどです。

貧しく不自由な時代、しかし矢口先生は「恵まれていた」と考えています。
それは何故でしょうか?
答えは、本書に描かれてあります。

大人も面白い子供に読ませたい本 ★★★★★
 少年漫画「釣りキチ三平」の作者矢口高雄は、憧れの手塚治虫から上品なおもしろさがかける少年漫画家と言われた。その矢口高雄が、終戦直後の秋田の山奥の中学生時代を漫画で描く。漫画であるので、読書の習慣のない小学三年生からでも楽に読める。誠実に描かれた内容は、社会科の知識としても大変役立つ。エッセイと漫画の合体した「ボクの学校は山と川」、「ボクの先生は山と川」などと引き続いて読めば、読書の入門として最適。親子で話し合える内容でもあり、単なる受験参考書では得られない知識がつく。読んだ方、是非、地図で狙半内川を探してみよう。