気持ちよいくらいの自主性を持った忙しい中学生たちの、なんとも逞しいことでしょうか。
そんな生徒たちの情熱を広い心で最大限に理解し、協力し続けた先生方には感心を越えて感動すらします。
また、高雄少年を優しい眼差しで見守り、身を粉にして働き支え続ける"アバ"。まさに「母は強し」です。
当時の農村の実態、昆虫や動物の生態、大自然の厳しさや摂理、生活の知恵なども描かれており、
子供たちには社会や道徳をいつの間にか学べる一冊、大人たちにとっては学校教育や子供との信頼関係について考えさせられる一冊になるでしょう。
かといって難しく考えることは無く純粋に楽しめるマンガであるし、大傑作だと私は確信してます。
各巻の主なキーワードは次の通りです。
第1巻 校門・吹雪・田植え・担任の先生・盆踊り(準備)
第2巻 盆踊り(当日)・上映会(七人の侍)・農産物品評会
第3巻 探検・江戸画家・石運び・修学旅行
第4巻 グラウンド作り・運動会・釣り・ケンカ・友情
第5巻 漫画少年・文化祭・進路・エピローグ
全巻を通して登場人物が本当に生き生きと描かれているので、なんだかこの時代が少し羨ましく思えるほどです。
貧しく不自由な時代、しかし矢口先生は「恵まれていた」と考えています。
それは何故でしょうか?
答えは、本書に描かれてあります。