すばらしい!でもちょっとこわい・・・。
★★★★★
非圧縮性流体の乱流(ここがポイント)を数値解析する時の手法が非常に丁寧に述べられています。梶島先生はこの分野の第一人者です。また, 内容が非常に先進的で, 特に欧州等ではこの内容が最新鋭になります(差分法による非圧縮性乱流の解析では、日本は世界をリードしています)。
この本に忠実に計算コードを構築すれば、DNSにしてもLES(核心はDNSと同じですが)にしても非常に信頼性の高い計算結果がだせるようになるでしょう。また、離散式の羅列とは異なり、説明が大変に丁寧かつ本質的で、初心者でもコード構築が円滑に進められると思います。計算条件(分割数等)についても深く言及しており、有用です。
内容の核心の部分が現在での一般的な内容なので、必要に応じて手法の細かい部分(枝葉)を論文で補足すれば、独学でも世界レベルの精度が出せます。非圧縮性流体の乱流の数値解析にはこの本と補足する論文で十分ですが、さらに追加するとしたら数値流体力学ハンドブックでしょうか(高いけど)。他はあまり要らないと思います。(ただ、この本があれば誰でもライバルになりうるので、恐い本とも言えます。)