ビバリーヒルズ高校白書 シーズン1 コンプリートBOX [DVD]
価格: ¥17,640
弾けた感覚で警官ドラマに新風を巻き起こしたフォックスの『ロックドアウト』と同じく、『ビバリーヒルズ高校白書』もゴールデンタイムのメロドラマに若々しい活気を注ぎ込んだ。アーロン・スペリングの『ダイナスティ』同様、ほとんどの登場人物は裕福なキャラだが、中流階級の双子ブランドン(ジェイソン・プリーストリー)とブレンダ・ウォルシュ(シャナン・ドハティ、『ヘザース/ベロニカの熱い日』)は別だ。製作はダレン・スター(『メルローズ・プレース』)で階級意識をコンセプトにしたこの番組は瞬く間に大ヒットとなった。ティム・ハンターが監督した前後編のパイロット版では、双子はミネソタからビバリーヒルズに到着したばかりだ。「昔の私を知ってる人はいないわ」と、ウエスト・ビバリー高校での初日にブレンダはブランドンに言う。「だから、なりたい自分になれるの」。双子はすぐにスティーヴ(イアン・ジーリング)、ケリー(ジェニファー・ガース)、ドナ(スペリングの娘、トリ)、デビッド(ブライアン・オースティン・グリーン)、越境通学している生徒アンドレア(ガブリエル・カーテリス)と親しくなる。そして第2話「サーファーの青春」でディラン(ルーク・ペリー)が登場する。暗い過去を持ち、詩を好むサーファーだ。彼にはジェイムズ・ディーンを思わせるところがあり、ブレンダは彼の不良っぽい魅力に激しく惹かれる。ゲスト出演者にはデビー・ギブソン (「イーストサイド物語」) 、マシュー・ペリー (「殺意の季節」)、また脇役陣に理解のある両親シンディ(キャロル・ポッター)とジム・ウォルシュ(ジェイムズ・エクハウス)、ピーチピットのオーナー、ナット(ジョー・E・タタ)。『ビバリーヒルズ高校白書』そして大学進学後を描いた『ビバリーヒルズ青春白書』は10年間続いた。このあとのシーズンでは、問題提議を主眼としたエピソード――万引きに始まって、詐欺やデートレイプなど――が主流になりがちな傾向はあるが、『The OC』や『Veronica Mars』のような影はない。ジョン・ヒューズの1980年代の映画(『ブレックファスト・クラブ』)と同じく、誰もが共感できる設定となっている。このドラマをDVDで見ることができるのは喜ばしい限りだが、ひとつだけ注意を。楽曲のすべてはオリジナル通りではない。いわゆる“このホームエンターテインメント版では音楽が変更になっています”というあれだ。その点を除けば、この番組に浸ることのできるうしろめたい喜びはいつまでも変わらない。(Kathleen C. Fennessy, Amazon.com)