なかなか言葉では言い表しにくい魅力。子供のころの無垢な感情と大人への階段を登るときの変化。読み終わった後になにか嬉しくなるような、すっきりするような感覚になります。

昔感じてたはずの気持ちとか
思い出して悲しくないのに泣きそうになった
最高の漫画です

この本に遭った時、高校生の僕にとってジャケ買い出来る値段ではないと思った。けれど思い悩んだ結果松本大洋作品なら期待を裏切らないだろうと思い購入。 表紙を開くと、あれだけ厚かった本が本当にあっという間に裏表紙までたどり着いてしまった。内容については自分よりも遥かに解りやすい言葉で書かれたレビューがあるので触れないが、想像を超えていて、読み終えた時には兎に角怖さやら感動やらでよく分からない震えが止まらなかった。 僕の中では今まで読んできた松本大洋のどの作品より良く、決して高い買い物ではなかった。 本来は、もっと精神面とか自己とかが確立された大人の方向けだと思う。是非そういった方に読んでほしい。未熟で無知な高校生ごときがほざくのもなんだが、きっと得るものは大きいと思う。 ただ、画風作風に好き嫌いが大きく分かれると思うので鉄コンやZEROを読んだ後の購入をお勧めしたいです。

松本大洋の独特な世界感で描く「見えないものが見える少年」の話です。
この作品を読んで「怖い」と感じたのは私だけではないはずです。
この作品では普段日常を過ごす「こっち側」の世界と、見えないものがいる「あっち側」の世界があります。
しかしそれが途中から混ざってしまって、どこまでが「こっち側」でどこからが「あっち側」なのかわからなくなってしまいます。
人によって捉え方の大きくわかれる漫画ですが非常におすすめです。
読む価値は十分にあると思います。

物語はとても静かに進んでいきます。いろいろなアクシデントはあるけれど、自分が子供だったころに感じた言葉ではうまく言えない感覚を思い出させます。大洋さんの作品は幾つか読ませてもらっていますが、いつも感じるのは主人公と相手の対比。何故かキュンとくる心の持ち主が現れます。いつの間にか自分が主人公になって相手の心（自分が憧れながら諦めかけている）に惹かれている気持ち。救いがないようでいて希望を感じさせるお話です。