しばし現実を忘れて藤たまきさんの世界に浸る喜び
★★★★☆
骨董好きの男子高校生の未来は、天真爛漫で幼く、また繊細でもあるので、骨董研究部に入部していますが、憧れのクールな男性部長、乙部にもすげなくされているような存在。ある日、あてもなく骨董品を捜しにいった未来はランプを貰います。まず笑ってしまったのが、未来の部屋で、1人カップラーメンを食べていた「魔人」シバと未来の初対面のシーンです。何百年以上もの間、ランプの中に閉じ込められていたシバは、未来と主従の関係になります。
人は普通、こんなシチュエーションは現実世界にはないので、未来もそれは同様で、シバをランプから呼び出すタイミングがなかなかつかめなかったのがリアルな感じがしました。
カヴァーの藤さんの絵だけを見ると、「健全」に見えますが「BL」&「ファンタジー」&そして、「現実世界」が、藤さんの個性で彩られている作品だと思います。
ランプの存在を知った乙部の骨董への執着心が凄いと思いました。現実として考えるとランプに住む「魔人」は、怖いものだと思うのですが…。読者はシバが良いヤツだってわかってるから怖くはありませんが。
未来の幼馴染の健二は、未来に片思いしていますが、気持ちが不安定になりやすい未来にとって、なくてはならない存在だと思います。
それぞれのキャラクターが、個性を持って、配置されているので、これからの展開が楽しみです。
久しぶりの「ファンタジー」!
★★★★☆
藤 たまきの数年ぶりのファンタジーである。ヒットした、「ミスター・シーナの精霊日記」と番外編「ホライズン」以来だろう。これらの作品は、「BL」と「ファンタジー」が一緒になっていたとしても、そんなに性的なものはなかった。だが、今回の「不思議ポット」は、タイトルのわりに、かなり 性的なニュアンスが強いと思う。だが、ストーリー展開は、いささか突飛である。ある日、がらくた整理をしていた見知らぬ人の手伝いをしたら、お礼に汚い「アラジンと魔法のランプ」のようなポットをもらった少年 未来。そこには「シバ」という魔人が閉じ込められていて、主人を保護してくれ、願いを何でも叶えてくれる。まさに、「アラジンと魔法のランプ」そのものだが、未来がひそかに憧れる考古学研究部の部長が、その宝目当てに、未来に近づいてくるし、未来の親友は、ひそかに彼を恋している。この突飛な設定に上手く入りこめたら、とても面白い作品だ。まだ1巻なので、星を1つ減らした。
続きに期待して星5つ!
★★★★★
久しぶりに藤たまきさんの作品を読みましたが、
読み終えた後何となく、ミスターシーナの精霊日記を思い出します。
主人公は、骨董研究部に所属する高校生。
憧れの先輩に褒められたいが為(?)に、骨董品探しへ出かけ
古い蔵の整理を手伝った事から”古いポット”を手にします。
実はそのポットには、精霊シバが封じられていて…
後半は、憧れの先輩の本性やシバの過去や設定が垣間見えたりして、
この先切ない(恋の?)予感??
という感じです。
今の所設定や話自体は、BL作品によくありそうな感じですが
作者が藤たまきさんという事で、この先に期待できそうなので星5つ!
ミスターシーナの精霊日記が好きな方は一度読んでみては?