ジョン・トラヴォルタがディスコルックをカーボーイ・ハットに替えて送る、典型的なラブストーリー。工場で働く青年（トラヴォルタ）は愛する女性（デブラ・ウィンガー）と別れてはみたものの、安酒場「ギリーズ」でのさやあてに疲れ始めてもいた。
   ストーリーの基本は彼のヒット作『サタデー・ナイト・フィーバー』をなぞったものであり、ありふれた日常をベースに、男女のこわれやすい関係、町のクラブでスターになろうとプライドをかけて闘うエピソードなどを交えて贈る。カントリーテイストは満喫できるが、本作に『サタデー・ナイト・フィーバー』の持つ緊張感はない。ロデオマシン（もともとロデオ体験用に作られた装置。背骨を折る危険を冒し、勇気ある男だけが乗りこなせるとされる）競技で馬鹿げたマッチョぶりが繰り広げられるに至っては呆れるほかないだろう。トラヴォルタとウィンガーの関係もメロドラマそのものだが、さまざまな意味で（特に、トラヴォルタの出演作のひとつとして、また70年代後半のB級ウェスタンとして）タイムカプセル的な要素を持つ映画であることは確か。たわいはないが不愉快な作品では決してない。（Tom Keogh, Amazon.com）