なぜ藤子不二雄は、FとAに分かれたのか?
デビュー当時から現在に至る2人の関係、
マンガに対する姿勢の違いが明らかにされていきます。
版権問題で、画像があまり収録されていないのは残念ですが、
詳細な資料と巻末リスト、そして分析に驚かされます。
藤子不二雄ベッタリで育った世代の私。
手塚先生よりも、ずっと藤子不二雄先生の方が
スゴイと真剣に考えているほどです。
FとAの区別もなく、ただ藤子作品を愛していた最中、
突如起こった事件。それは藤子不二雄の別離だったのです。
この事件と、F先生の死去。2つの事件を
個人史の10大ニュースに加えてもいいとさえ思っています。
私と同世代の人間に、絶大な影響を与えた藤子不二雄。
その偉大なマンガ家が正当な評価を受けていないと、
以前からずっと感じていましたが、
この本が出版されて、初めての藤子論を展開したことで、
少しその思いが報われたような気がします。
藤本と我孫子を比較しつつ作家性を分析した部分では、さして新鮮さを感じることができなかった。