ラッキー・ユー 特別版 [DVD]
価格: ¥3,980
ポーカーというゲームのおもしろさを映画でいかに見せるか。本作はその難題にチャレンジし、なかなか健闘している。主人公はラスベガスでプロのポーカー・プレーヤーとして生きるハック。ポーカー世界大会に出場し、優勝を目指す彼のタフな日常が描かれる。実際にプロのプレーヤーがキャストとして出演し、相手の表情を読むゲームをスリリングに盛り上げているのも見どころ。さまざまなホテルのカジノが登場し、ラスベガスを知るには最適な作品だ。
エリック・バナが、アウトローかつダメ男の生きざまに、さり気なく男のカッコよさをまぶして上出来の演技。タイトルが「運命の女神」を意味していることから、ハックのラブストーリーも展開するのだが、その相手役を演じるドリュー・バリモアが、いつもながらのキュートな魅力で物語を盛りあげてくれる。彼女がみせる「ポーカーフェイス」が何ともイイ味だ。しかし、本作の真のテーマは、ハックと父のドラマにある。ロバート・デュバルが渋く演じる伝説的ポーカー・プレーヤーの父との微妙な関係が、ラストの静かな感動につながっていく。そこで気づくのは、これがワーナー・ブラザースの作品であること。「男の映画」を追求してきた同社の姿勢が貫かれているのだ。(斉藤博昭)