だが、そうは言うものの新たな味わいにも満ちている。例えば奇妙な「Cinder And Smoke」は、アメリカとロバート・ワイアットとロウが、(もちろんバンジョーを加えて)共演したようなサウンド。一方「On Your Wings」「Free Until They Cut Me Down」「Teeth in the Grass」では、これまでコンサートでしか見せなかった陰鬱で泥臭いサザンロックに心酔する一面も披露している。ベッドルームでの自宅録音で有名になったアーティストがスタジオ録音へ移行したあと、さらに優れた作品を生みだすことはまずめったにない。ダニエル・ジョンストン、ルー・バーロウ、リズ・フェアの代表作はどれも、自宅でカセット・レコーダーの前に身をかがめて作り出したものだ。けれどもビームはその法則にはあてはまらず、この2作目ではいともあっさりと前作を上回った。(Mike McGonigal, Amazon.com)