「おかあさま、あたしは、きっと、おとうさまよりえらくなってみせる!」と心に誓う。そのとき讃良五歳。
ここから、「持統天皇」の成長が始まる。
やがて、讃良はすでに姉大田皇女が嫁している叔父大海人皇子に嫁す。陰謀渦巻く宮廷で、大海人皇子の地位は微妙だった。その夫に讃良は「天皇にするおてつだいができる、そんな妻になりたいわ」と言う。
「わたしはあなた(大海人)が天皇になるべきだと思うし、あなたならなれると信じているの」と。十五歳の讃良は大海人皇子に?った。
彼女のこれからの人生を決めた運命の言葉だったことはまだ誰も知らない。