ブルー・アイド・ソウル
価格: ¥2,548
その風貌、そのサウンドからクール・ガイというイメージをもっていたティル・ブレナー。しかしプロモーションのため2002年1月に来日したブレナーは、気さくなナイス・ガイだった。
ミュートを活用した彼のトランペット/フリューゲルホーンの音は、マイルスをちらりと思わせたりして伝統的だが、ロックやヒップホップに囲まれて育った現代の若者らしくリズムが斬新。本作にしても、ラッパの音はどこか懐かしいニュアンスだが、打ち込みを使ったリズムはクラブ系で、その取り合わせがおもしろい。日系のサモン・カワムラがターンテーブルを担当しており、本作では彼の存在もかなり重要だ。ジャズは4ビートでなくちゃ、という人にはかなり抵抗があるだろうと思うけど、あらゆる要素を吸収して進化するジャズの最新形がここにある。曲は大半がブレナーのオリジナル。例外はビリー・ジョエルの<8>とマーク・マーフィーの<14>で、後者にはマーフィーがゲスト参加して歌っている。歌手としても人気の高いブレナーだが、本作では歌は1曲だけ。(市川正二)