One Night in Eden: Live in Concert [DVD] [Import]
価格: ¥2,600
ノー・カットで収録された、サービス精神満点なこのコンサートをどう受け止めたらいいものか。歌手であり女優でもあるサラ・ブライトマンは、半世紀遅れて生まれてきた人間のようだ。1950年代、レコード会社と契約したり、テレビのバラエティショーにゲスト出演したりするための足掛かりとなったのは、ブロードウェイ・ミュージカルだった。そういう時代にデビューしていれば、ブライトマンはジュリー・アンドリュースのようなキャリアを築けたかもしれない。しかし、ブライトマンの場合、ブロードウェイの『オペラ座の怪人』での成功から10年もの歳月を経てコンサート業に乗り出そうとしているのだ(その『オペラ座の怪人』で彼女に主役の座を与えたのは、前夫アンドリュー・ロイド・ウェーバーである)。
本作『One Night in Eden』は、ソロ・アルバム『Eden』をライヴ・パフォーマンスで再現。芝居がかった仰々しい演出ぶりは、スティーヴィー・ニックスとマドンナが奇妙な合体を遂げたかのようだ。ブライトマンの歌い方は、もったいぶったセリーヌ・ディオンという感じ。ディオンの「My Heart Will Go On」をイタリア語で歌ったりもしているが、イタリア語なら格調が出るというわけだろうか。ラファエル前派の画家を愛する彼女らしく、途中何度もガウンを着替えるが、あのずんぐりした体形は隠せなかったようだ。明らかにファンのみを対象としたショーである。(Marshall Fine, Amazon.com)