スティーヴン・キングのファンは、フランク・ダラボン監督による『The Green Mile』（邦題『グリーン・マイル』）の映画化を待ち焦がれていた。同監督によるキング小説の映画化は、同じく刑務所を舞台とした『The Shawshank Redemption』（邦題『ショーシャンクの空に』）に続いて2度目となる。本書『The Green Mile: The Screenplay』は、直接的な描写をいっさい用いずに、しかも登場人物たちを巧みに描ききったダラボンのシナリオを公開したものだ。この映画は間違いなく、これまでで最も忠実に原作を再現した作品と言えるだろう。登場人物も小説にある主だったシーンも、このシナリオの中で一言一句原作どおりに演じられている。また、ダラボンとキングによる序論からは、両者の心温まる友情がうかがえる。さらに映画の最後に流れるクレジットの詳細や、2枚のストーリーボードによる画面の連続スケッチ、20カットに及ぶ映画からの写真も掲載され、より楽しめる1冊になっている。1本の映画がシナリオから最終的な作品へと変化していくありさまをこの目で確かめたいと思っている人には、『The Shawshank Redemption』の撮影台本もおすすめだ。この本でダラボンは、撮影後記で、1編のシナリオが1本の映画へと変貌する様子を生き生きと語っている。