ナルニアは、魔法と栄光と気高さにあふれた国。そこには偉大なるアスランが、冷酷なジェイディス(白い魔女)が、正義感あふれる英雄リーピチープが、そして、優しいタムナスがいる。C.S.ルイスが書き上げたナルニアは不思議な魅力を放ち、今もなお読者を魅了する。本書は、そんなナルニアの魅力すべてを、初めてひとつにまとめた1冊だ。この豪華な愛蔵版には、『The Magician's Nephew』(邦題『魔術師のおい』)、『The Lion, the Witch, and the Wardrobe』(邦題『ライオンと魔女』)、『The Horse and His Boy』(邦題『馬と少年』)、『Prince Caspian』(邦題『カスピアン王子のつのぶえ』)、『The Voyage of the Dawn Trader』(邦題『朝びらき丸東の海へ』)、『The Silver Chair』(邦題『銀のいす』)、『The Last Battle』(邦題『さいごの戦い』)が収められ、ポーリン・ベインズ描き下ろしによるおなじみのイラストと、ナルニアの権威、ブライアン・シブリーによる、深い洞察に裏づけられた前書きが花を添えている。
このシリーズに出会って、ルイスの魔法にかかった読者はこれまでも数知れない。いったん『The Lion, the Witch, and the Wardrobe』を開いたら、続きの作品をすべて読まずにはいられなくなる。本書『The Complete Chronicles』の登場で、このシリーズを読破するのはさらに簡単になったのだ!なにしろ、あの魅力的な7編の物語が、ルイスが読んでほしいと考えた順番どおりに並んでいるのだから。物語は、ディゴリーとポリーがだまされて奇妙な世界にまぎれ込んでしまった場面から始まる。2人は、ちょうどそのとき、ナルニア王国の建国の様子を目撃する。そのナルニアに、魔法の力によって幾たびも引き込まれる4人の子どもたち、ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシィ。彼らの果たす役割は、ナルニアの歴史のなかで極めて重要だ。そして最後に、奇妙な地へと入り込んだ者たちは、ナルニアの時が終わりを告げ、同時に新たに何かが始まるのを目撃する。それこそが、「世界のうちがわの世界、ナルニアのうちがわのナルニア」だった。この豪華版は、これまでの、そしてこれからのナルニア・ファンにとって、必携の1冊である。