かつて魔女狩りが行われた町・イーストウィック。離婚や死別で夫を失った3人の女性が、超能力が身についたことを自覚する。やがて、町の屋敷を買った謎の男が彼女たちを誘惑したことから、奇怪な事件が連続。その男の正体は…悪魔！？
   シェール、スーザン・サランドン、ミシェル・ファイファーという、現在では共演が不可能と思われる3大女優が、過激なファッションに身を包んで怪演。3人を相手にするジャック・ニコルソンも、『シャイニング』での自身の役をパロったような狂気の演技で笑わせる。全体としては、セクシーでコミカルなファンタジーの様相を呈しているものの、男性優位社会への批判、年齢を重ねた女性の悩み、そして異端者への言われなき差別といった教訓も、さり気なく盛り込まれている。監督は『マッド・マックス』のジョージ・ミラーだが、カメラアングルや人工的な色づかいの画面は、彼の後の作品『ベイブ』シリーズに通じるものがある。（斉藤博昭）