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新妻 (幻冬舎アウトロー文庫)

価格: ¥648
カテゴリ: 文庫
ブランド: 幻冬舎
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ありそうでありえない ★★★★★
 田舎の旧家に嫁いだ、男を知らぬ彩子は旧家に伝わる掟によって、初夜、衆人環視の中、夫ではない男によって女にされます。そして、拒絶や逃亡を企てますが、やがて女の歓びを知るようになるという、全体的には調教(縄と平手によるスパンキング)と旧家の因習を絡めた、ポルノグラフィ―ではない、真の官能小説です。初めから終わりまで熱い、それでいて静謐な雰囲気が漂っています。

 この作者は和服や和の美を描くことに卓越しており、本作品でもその能力は存分に発揮されています。

 村全体で、特定の家を重んじ、また何らかの掟が現代にも伝わってきているという設定は、テクモのゲーム「零 紅い蝶」を彷彿とさせます。「紅い蝶」では双子の一方が他方を絞殺することによって、村は大災厄から守られるという設定です。『新妻』ではその時の村の主が新妻の処女を奪い、女にしていくことによって村全体が守られ、繁栄していくという考えが貫かれています。民俗学的には興味深い事例です。

 時代が進んでも、こんな風習のある村があるのかもしれない、そんな気にさせられる書き方がされており、こんな村に住んでみたいと思わされました。
ありえない設定だけど‥ ★★★★★
私は女ですが、作者の小説が好きでよく読みます。この話はありえないような設定なのですが、舞台が田舎の旧家なだけに「あるかも‥」なんて思えてしまう部分もありました。でも祝言の夜、衆人環視(新郎も)の中で新郎の父親に処女を奪われるくだりを読み、その場面を想像してドキドキしました。自分がそんな場面に遭遇したらどんな精神状態になるのか‥それを考えて胸が高鳴りました。強姦小説とは違うのですが、話の流れは監禁、調教なんです。でも「私もこんな風にされたい」なんて思わせるところが、この作家のうまいところだな‥と感心させられます。ただ最後がちょっとあっけなかったのが残念です。