この究極の2枚組コンピレーションは、今デビューしたとしても時代より約100年進んだサウンドを鳴らしただろうグループを称えるのに、遅まきながらも絶好のアルバムだ。アルバム・タイトルもそれにふさわしい。カーブは、そのレコードセールスとは裏腹に、急速に影響力を高めたバンドのひとつだった。音楽シーンにおけるカーブの影響はいつだって明らかだ――マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、ナイン・インチ・ネイルズ、ザ・キュアー、『Automatic』の頃のジーザス&メリー・チェイン。しかしエレクトロニカとヒップホップとロックンロールを巧みに織り交ぜたそのサウンドはのちに、その他多くのアーティスト――U2(『Pop』)やガービッジ、マリリン・マンソン――の作品に色濃く反映されることとなった。カーブ以前はさんざんなソロキャリア(トニ・ハリディ)と、ユーリズミックスのベースプレイヤー(ディーン・ガルシア)としての活動という経歴にとどまっていたふたりだったが、カーブでのキャリアは世間をあっと驚かす結果となった。
ディスク1には1990年から現在に至るまでの代表曲16曲が、ディスク2にはレアトラックと未発表曲が選曲されている。なかでも聴き所どころはディスク2に収録されたドナ・サマーのかすかにおどろおどろしいカバー「I Feel Love」、故イアン・デューリーとデュエットしたデューリーの曲「What a Waste」、ケヴィン・シールズがリミックスした「Coming Up Roses」だろう。(Andrew Mueller, Amazon.co.uk)