2000年4月29日に行われた、NKホールでのライブの模様を完全収録。‘96年のデビュー以来、同時代のレヴェル・ミュージックとでもいうべきメロコア、ヘビィロックとリンクしながら、シャープかつストイックなロックを提示してきたAIR（＝車谷浩司）。ポジティブな気合と冷静な知性に貫かれたメッセージ、攻撃性と叙情性を両立させたサウンドによって“キッズ”からの圧倒的な支持を得てきたAIRが獲得した最初の頂点――その貴重な瞬間がこのライブには凝縮されている。映像を駆使した洗練された演出、ベースに渡辺等、ドラムに佐野康夫を従えた強靭かつ自由な3ピース・サウンド、ストリングスから最新鋭のエレクトロニクスまでを使いこなすアレンメント、そして、オーディエンスの熱烈なリアクション。僕は実際にこの日のライブを目撃しているのだが、アーティストとファンがこれほどまでに深く結びついたライブは、それ以降、経験したことがない。（森　朋之）